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パナマ文書の日本人や日本企業リスト探しに躍起になる人に知って欲しいたった一つの事実

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パナマ文書の流出が話題になっている。タックスヘイブン、脱税、権力者の陰謀、大企業の不正・・・。特定の属性の人が好みそうな話題であり、ネット上では日本人や日本企業が流出リストに載っているということで、既得権益の陰謀を暴くため、リストの解明に躍起になる人々が出てきている。

パナマ文書流出については、すでに若干の誤解を持って情報が伝播しているように感じる。今回流出した文書は「顧客リスト」だ。何の顧客リストかというと、「モサック・フォンセカ」という法律事務所の顧客リストだ。この「モサック・フォンセカ」という法律事務所は、法人の設立支援がメインの業務の法律事務所だ。普通の離婚弁護士や刑事弁護などを行う法律事務所とは違い、法人の設立業務に強みを持つ事務所ということだ。

そして、一番重要なポイントが、パナマという国における法人は、税制が非常に優遇されるという点だ。具体的には、パナマにある法人は、パナマの国外から得た所得に対し、税金を払う必要がないのだ。例えば日本において、あなたがアメリカに住むアメリカ人に対して、インターネットで商品を売ったとしよう。その外国人から海外送金で100ドルが送られてきた。この100ドルについては、一定のルールに従い円換算をし、その金額に対して税金を納める必要がある。ところが、パナマの場合は、アメリカからの所得に対して税金を払わなくていいのだ。

こうしたパナマの税制は、商売をやっている人間からすれば非常に魅力的だ。そうした税制を使いたい人間は世界中にいる。モサック・フォンセカは、そうした人々に対し、パナマで法人を作る手伝いをしていた法律事務所ということになる。

日本人や日本企業がリストに上がっているが・・・

何事もそうだが、仕組みや法律、それ自体には善も悪もない。パナマはそのような税制を敷くことで、国として栄えてきた歴史がある。このことを我々が否定することはできない。問題は、その仕組みや法律を誰がどのように使うか、という点だ。

パナマ文書に名前が上がった日本人や日本企業を悪として叩く風潮ができつつあるが、そこは慎重になるべきだ。

確かに、悪意を持って、本来日本で支払うべき税金を、パナマに法人を設立し、そちらへ逃がし、税金の支払いを逃れようとしているものも、リストの中には含まれているだろう。パナマで財を溜め込み、それをパナマ起点で投資なり消費に回してしまえば、日本に税金が支払われなくなる(厳密にはタックスヘイブン税制が機能しており、完全に税逃れをすることはできないのだが・・・)

ただし、国際商取引の常識として、タックスヘイブンを使用する例もたくさんある。海外企業をM&Aする場合などは、2国間の税制の違いや、相手国の税制ノウハウの不足のために、グローバルなビジネスマンによく知られたタックスヘイブンに合弁会社を作り、そこを拠点とした法人を作ることは、極めて一般的な手法だ。

パナマ文書の日本企業リストの中には、総合商社や世界展開する小売業の会社などが多い。そして、繰り返すが、パナマ文書とは、ただの顧客リストだ。世界的に事業を展開する大企業が、有名タックスヘイブンのパナマにある、有名法律事務所を使用していることに、違和感はまったくない。その点は注意してみる必要がある。

税金の不平等の問題は依然として存在する

制度的、仕組み的に彼らが違法なことをしているわけではないし、パナマはこの税制を国策としてやっている。小さい国が生き延びるために行っている政策を、他国がやめさせることは難しい。(実はOECDにより是正勧告が出されてはいるのだが・・・)

また、彼らが悪意を持ってタックスヘイブンを利用して節税しているという根拠も見当たらない。さらに言えば、正当にタックスヘイブンを利用している旨を仮に今回リストに上がった日本企業が主張しても、その主張の正当性もよくわからずに批判だけを繰り返す人の方が多く、不毛な論争を巻き起こすことになることは容易に想像できる。

とはいえ、中にはこの仕組みを、悪意のある節税に利用している富裕層も大勢存在することは事実であるはずだし、悪意がなかったとしても、そこはやはり善意でしっかりと日本国に税金が落ちる仕組みで大企業には一汗かいてもらいたいところだ。

よく言われているように、タックスヘイブンに消えていく税金は、日本の分だけで50兆円近いとも言われている。この半分でもしっかりと日本で収められていれば、日本の税収が1.5倍になるのと同じ効果を持つ。

タックスヘイブン問題の本質は?

筆者が思うに、タックスヘイブンの問題の本質は、その制度を敷くパナマという国自体にある。タックスヘイブンとなる税制を定めることは、確かにその国にとって手っ取り早い経済政策だ。世界中の富が自国内に集積され、それによって課税が可能な自国内取引を活発化させ、税収を上げるという国家の税収モデルだ。

要するに、所得税をダンピングして、国として大安売りをしていくわけだ。資本主義の社会においては、その取り組みは間違っていない。他より安くサービスを提供し、より大きな利益を生む。このことは、より安くサービスを提供してもらえる顧客(この場合大企業や富裕層)にとってもプラスだ。

しかし、機会利益を失った、もともとの国や、その国で税負担を強いられる人間にとってはマイナスとなる。こうした、他者の損失を前提に成り立つ国家は、いずれ立ち行かなくなるはずだ。このような税収モデルでしか成り立たず、自国産業の活性化に力をいれない国は、何かの表紙に崩れ落ちる。

おそらくパナマ文書はその引き金となるはずだ。

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初代編集長・ボス

初代編集長・ボス

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初代編集長。一部上場企業で働く傍ら、ビジネスで培ったノウハウ提供を趣味としている。ノウハウコレクターとしての一面をもつ。今は引退して芸能ニュースを毎日飽きずに見続けている。

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