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現地時間の11月8日にいよいよ本選を迎えるアメリカ大統領選挙。民主党のヒラリー・クリントン氏と共和党のドナルド・トランプ氏、どちらが第45代アメリカ大統領の地位を射止めるのか。
現在の支持率はクリントン氏が上まわっているが、先月末に再燃したメール問題の影響もあり、その差はわずかなものとなっている。一度は訴追を見送ったFBIがなぜ今この時期に再捜査を始めたのか。この件は大統領選にどう影響してくるのか。世界中の注目が集まっている。
クリントン氏のメール問題とは
10月28日、アメリカ連邦捜査局(FBI)のコミー長官が捜査を再開すると発表した。クリントン氏が国務長官時代に、私用のメールサーバーを使い機密情報を含むメールの送受信を行っていた件については、捜査の結果、FBIは刑事訴追を行わない方針を示していた。今年7月のことである。しかし、今回新たなメールが発見されたとして、捜査が再開されたのである。
FBIが捜査中の案件に対してコメントすることは異例であり、またこのタイミングで公表されたことに批判が集まっている。しかしこの新しいメールというのは、クリントン氏が送受信したものではなく全くの別人のもので、それはアンソニー・ウィナーとアベディン夫妻であるという
別人のメールがなぜ?
Newsweek日本版のコラムニスト冷泉彰彦氏によると、夫のアンソニーはビル・クリントンが目をかけていた人物。妻のアベディンはヒラリー・クリントンが側近として信頼をおき、現在は選対の副本部長として傍においている女性である。
しかし、アンソニーは2011年に不特定多数の女性との間で「不適切な性的メール」を送っていたことが明るみに出たことで議員辞職。さらに今年の夏、自分の下着姿を他の女性にメールしていたという不適切な行いが発覚したため、妻のアベディンに別居を言い渡されている。
このアンソニーの不適切なメールが今回の問題の発端である。アンソニーは他に未成年の少女にも不適切な性的メールを送っていた疑惑があり、FBIはその捜査のために彼のパソコンを押収したのだ。そのパソコンはウィナー夫妻が共有していたもので、アベディンが送受信したメールも残されている可能性がある。アベディンはクリントン氏の側近であるため、クリントン氏との間に政治的な問題になる内容のメール、例えば私的メールサーバー使用に関する内容のものが出てくるかもしれない。
FBIにしてみれば、もしそうなった時には大変なことになるので、予め「自分たちはこういう捜査をしている」ということを公表する必要が生じたということらしい。
コミー長官とFBIには、選挙を妨害しているとか、FBIの反クリントン派の捜査員が情報をリークしているとか、数々の批判・非難が集まっているようだが、FBIの捜査はクリントン氏とは関係のないメールに関して行われており、それをメディアが「スキャンダルの再燃」などと騒ぎ立てているだけ、というのが現在の状況のようである。
つまり、万が一そのパソコンから問題のあるメールが発見されない限りは、クリントン氏が何らかの罪に問われることは考えられないのである。
大統領選の行方は
その上で、大統領選の行方を予想してみる。11月2日の二人の支持率は、クリントン氏47.2%、トランプ氏が45.5%。わずか1.7ポイント差である。
トランプ氏の女性蔑視発言などで、一時はクリントン氏が安全圏に逃げ込んだのだが、現在のこの状況では何が起こっても不思議はない。
アメリカではトランプ氏の一連の発言にストレスを感じる人が4割以上に上り、移民の子供が学校でいじめにあうなど、トランプ氏の悪影響が現れている。
だからと言って、クリントン氏が好かれているかといえば決してそうではない。トランプ氏よりはマシ。それがクリントン氏優勢の正体なのではないだろうか。
本選までのわずかな時間に、新たなスキャンダルが出てくる可能性もなくはない。また当日の投票率によっても大きく結果は変わってくるようだ。高ければ民主党のクリントン氏、悪ければ共和党トランプ氏が有利だと言われている。
私たち日本人はただ見守っていることしか出来ないが、その結果は日本だけでなく世界中に影響を及ぼすことになるため、目が離せないのは間違いない。