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舛添要一都知事の一連の政治資金スキャンダルが、一応の決着を見せたということになるのだろうか。6月6日の記者会見で、これまで「厳しい第三者の目」に晒すとしてきた疑惑についての調査結果が発表された。
数々の疑惑についてん言及があったものの、結論は一つ「不適切ではあるが違法ではない」というものだった。当サイトの過去の記事でも言及したように、政治資金等規正法は支出についての明確な規定はないため、大方の予想通りの結論だった。
舛添要一 第三者の弁護士とは誰になるのか?逃げ切りの姿勢を強める都知事
こんな予想通りのお決まりの意見を出す「第三者の弁護士」の存在価値は一体なんなのか。今回の調査を担当した弁護士は佐々木善三と森本哲也という弁護士。二人とも、いわゆる「ヤメ検」だ。
実は、この二人の経歴や、これまでの実績について見ていくと、ことの背景がよく分かる。本記事では、佐々木善三の経歴や実績について情報をまとめてみたので、ご覧いただきたい。
佐々木善三の経歴は?
佐々木善三は、中央大学法学部を卒業後、司法試験に合格し、司法修習を経て検事となった。東京地検特捜部という、検察の花形ポストも経験し、大物政治家や企業の汚職事件を次々と暴いていった。ついたアダ名が「マムシの善三」。狙った獲物は逃さないことから、そのように呼ばれるようになったという。
順調に出世を重ねたものの、2013年に退官。最後の肩書きは「検事正」だ。検事の肩書きは、検事総長、次官検事、検事長、検事正・・・の順に下がっていく。わかりやすいイメージでいえば「社長、副社長、役員、部長・・・」というイメージだ。検事長以上は、天皇陛下の認証が必要なポストであり、検事長と検事正の間には大きな開きがあるイメージ。
佐々木善三は、異名がつくほど優秀な検事だったが、検事の世界も出世をするには「政治力」が必要だ。舛添会見で逆ギレしている様子を見ると、確かにお世辞にも世渡りが上手そうなイメージはない。法解釈を武器に、自分を頼りに生き抜いてきた男のイメージだ。
そんな男が、検事正で退官し、かつての「敵」であった政治家や大企業の味方に翻り、古巣を相手に戦うというのは、なんとなく分かる話だ。実力を信じ、ひたすらに仕事に打ち込んできたが、出世の道を歩むのは東大法学部卒の世渡り上手な検事たちのみ。それならば、かつての敵を弁護して、大金を稼いでやろうではないか。このように思うのもうなづける。
マムシの善三が、かつての自分なら真っ先に暴きたくなるであろう舛添要一を弁護するまでになったのは、こうした背景があるからではないだろうか。
佐々木善三の実績を見るとわかること
佐々木善三のこれまでの案件の実績を見れば、そうした彼なりの検察組織への失望とコンプレックスがうかがえる。印象深いのは、小渕優子の案件と、猪瀬前都知事の案件だ。
小渕優子のスキャンダルは、明々白々に公職選挙法違反といえるものだった。支援者に対し、観劇やスポーツ観戦などを通常より割安で提供し、その差額を政治資金で補填していた。あからさまな利益供与であるにもかかわらず、小渕優子は不起訴となった。このスキャンダルが発生した際、小渕優子も第三者を入れて調査を行ったのだが、その第三者委員会に佐々木善三がいた。
今回同様の甘い調査結果を公表し、違法性はないという判断を述べていたようだ。これがどれほど影響したかは不明なままだが、小渕優子の不起訴に少なくない影響があったはずだ。
また、何より気になるのが猪瀬前都知事の弁護についてだ。そもそも、前都知事の政治スキャンダルを弁護した人物が第三者ということ自体噴飯モノなのだが、この時も佐々木善三の弁護の甲斐あって、猪瀬直樹は不起訴となっている。
こうした佐々木善三の実績が、そのまま彼の実力を表しているモノなのか、それとも検察との何かしらの裏のつながりの存在をほのめかしているモノなのかは不明だが、これだけ政治家に味方してきた弁護士をつけるということ自体、バイアスがかかりすぎている。
舛添要一が、今回の調査結果を見越して佐々木善三と森本哲也を選んだことは明白。「甘い第三者の目」による調査は終わったものの、「厳しい都民の目」から逃れることは当分の間できなそうだ。
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