【人気急上昇中の記事】 現在 18 名が閲覧中...![]() あなたのマンション、現在の価値がサクッとカンタンに調べられるツールが、いま話題に。 |
頻繁に変更するGoogle検索サイトのロゴ。世界共通なものや、記念日や偉人の誕生日などを祝うものもあり、様々な種類がある。時にはゲームであったり、クイズであったりもする。ユーザーのプロフィールに設定された誕生日には、自分だけが見れる「ハッピーバースデー」ロゴもある。ここ数年では、日本で独自に創作したものが増えている。
その理由の一つは、欧米を中心に行われていた「Doodle 4 Google(ドゥードゥル・フォー・グーグル)」が日本で開催したことだと言われている。小中高生を対象としたデザインコンテストで、子供たちに創造する空間を与え、芸術とテクノロジーの可能性に知ってもらい、新たな創作を見付けることを目的にしているのだ。
今注目されているロゴは、食品サンプルの王と言われる岩崎瀧三だ。日本を始め、他の国でもこのロゴに変更されている。この人物の歴史とGoogleロゴの裏を、より詳しくみてみよう。
岩崎瀧三の作品が登場
2016年9月12日、この日は実業家の岩崎瀧三の誕生121周年である。1895年に生まれた彼は1932年の時、大阪市北区に「食品模型岩崎製作所」を設立して、当時まだ出回り始めていた食品サンプルの制作で、日本初の事業化に成功した。1955年の時、故郷の役に立ちたいと思い、郡上八幡町に岐阜工場を建設。1963年では「岩崎模型製造株式会社」に改名して、現在は国内シェアが70%に達している。
食品サンプル作りの体験も、年間1万人以上が利用していて、人気サービスに成長した。普段はよく見かける手作りのドーナッツのストラップなども、そこから始まったという説もある。
岩崎瀧三の最初の作品である食品サンプル一号は、妻の作ったオムライスをモデルにしたという。最初の作品にも関わらず卵のしわまで上手く再現してしまい、妻を驚かせたそうだ。それでも本人曰く、まだまだ拙いものだと、完成品と呼ぶにはまだ程が遠いといって更に技術を磨いた。この食品サンプルへのこだわりも、彼を成功の道へと導いた要因の一つかもしれない。
Googleロゴの魅力
本来であれば、会社のロゴに手を加えることはご法度だ。しかし、見ての通りGoogleロゴは頻繁にその色と形を変化して、Googleという会社名自体が読めないことさえ珍しくない。基本的にロゴをアレンジする事に制約などなく、社員であれば誰でも提案することができるそうだ。
毎年、社内でボランティアを募って、審査団を結成させて様々な角度から検討を行っている。常に社員が新しい挑戦をするよう、このシステムを生み出したそうだ。時には映像になったり、ゲームになったり、マンガになったりもする。記念日や偉人の誕生日などのデザインは「ホリデーロゴ」と呼ばれる。
「Doodle 4 Google」を開催し、子供たちに、自分にとって、特別だと思う日をモチーフにしたロゴを描かせる。それらを参考にして、各国に独自なロゴを制作するのだ。例えば、中国の孔子や、イギリスのチャールズ・ディケンズなど世界的に有名な人物の場合もある。日本では岩崎瀧三の他、印象に残る偉人と言えば、日清食品の創業者である安藤百福、初めて人工雪の製造に成功した中谷宇吉郎など、かつて日本の未来を変えた人が、これまでロゴとして採用された。
発想と才能だけで、いい作品ができるとは限らない。過去の資料や写真、自分の経験を使い、構想を練って、重ね重ねの努力によって、イノベーションを生み出すことに繋がっていくのだ。食品サンプル作りのように、どんなに単純そうに見えるものだとしても、甘く見てはいけないのだ。単純なことから、今まで知らなかった新しい革命が生まれるかもしれない。デザインはただ夢を見てばかりで成功できるものではなく、その夢を実現するために、やり続ける情熱と、挫けない心で真っすぐを目指し、ようやく結果を得るのだ。
そんな思いが、今回のロゴから読み取れる。