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新潟県の泉田裕彦知事が、秋の知事選への立候補を取り止めた。泉田知事は、現在3期目で、平成16年10月に知事選で初の当選をして以来、12年間にわたり新潟県知事を務めてきた。4選を目指し今年10月16日投開票の知事選へ出馬を予定していたが、地元有力紙である新潟日報の報道が原因で出馬を撤回。
これまで現知事として、次期知事選に立候補する考えを示していたが急遽、新潟日報の報道を理由に現知事として公言した出馬表明を撤回する異例の事態となっている。泉田知事を出馬撤回へと動かした、新潟日報の報道やその後のトラブルについてまとめた。
新潟日報の報道とフェリーのトラブルとは?
発端は、新潟県がからむ中古フェリーの取引について、韓国企業との間で問題が発生したことにある。新潟県はロシアとの間をフェリーで結ぶという、日本海横断航路計画を立てていた。ところが、フェリーの購買契約を結んだ県の第三セクター・新潟国際海運の子会社であるナフジェイ・パナマと、中古フェリーの売却側である韓国企業との間で、フェリーの性能が県の要求を満たした品質のものではなかったとして品質問題に発展。
売買契約は昨年8月に成立していたが、10月に日本へ船が到着した際に、必要な速度が十分出ていないことが分かったというのだ。品質問題を受け、仲裁判断を行う日本海運集会所が介入し、ナフジェイ・パナマに対し、韓国企業へ約157万ドルを支払うように判断が下されたという。これについて、新潟日報では責任が知事にあるという旨の報道がされ、知事が出馬を断念するまでにことが大きくなった。
泉田知事のおかしい辞任理由!
新潟日報の報道に対し、泉田知事は8月30日に内容を否定する声明文を発表している。泉田知事の声明文では、「政策論とは関係ない動きが出ている」とし、新潟日報の報道について、「憶測記事や事実に反する報道が続いた」と非難。さらに、新潟日報に関しては、「訂正や説明もなく、県からの申し入れがあった事実も報道してもらえない」と、報道に対する懸念感もあらわにしている。
また、出馬撤回の理由については、「このような環境の中では十分に訴えを県民に届けることは難しい」と、やむなく立候補を取り止めた経緯を説明した。一方、新潟日報では、この声明に対し「知事選から撤退する理由として本社の報道を挙げたことは、報道機関に対する圧力にも等しく、許しがたい行為」と逆に批判を強めており、「新潟日報社の社会的信用・評価をおとしめる行為であり、断固として抗議します」としている。
しかし、一新聞社の報道姿勢が気に食わないものだったとしても、それを理由に知事選出馬をやめるというのは理解を得られないだろう。実際は、他になんらかの辞任理由があったと考えるのが自然だ。
敵も多かった泉田知事?
泉田知事が出馬を取り止めたことで、恩恵を受ける企業などもあるようだ。かねてから、泉田知事は原発再稼働を反対。柏崎刈羽原発についても再稼働に反対を示しており、東京電力では頭を痛めてきた。泉田知事の出馬がなくなったことで、原発の再稼働にもはずみが付き、東電は恩恵を受けることになる。
さらに、泉田知事は敵が多かったとのこと。国政界や霞ヶ関の官公庁では、泉田知事の評判は悪いものだったという。これまで、原発の再稼働のほか、被災地の瓦礫受け入れの拒否など、泉田知事の判断力には疑問が残ると見られているようだ。どうやら、こうした積み重ねが、今回の新潟日報トラブルの火種となったのかもしれない。