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車いすテニスプレーヤーとして、日本2位の実力を誇る西村祐亮氏が、盗撮の疑いで逮捕されるというニュースが入った。西村祐亮氏は、衣料品店の試着室で試着中の女性に対し、手提げカバンに隠したカメラを試着室の中に入れ、盗撮を試みた。気づいた女性が警察に通報したのだという。
西村祐亮氏は、類まれなる運動神経を持った人物。21歳で車いすテニスを始め、そこから瞬く間に実力をつけ、日本屈指のプレーヤーに成長した。このような事件を起こしたことで波紋を呼んでいる。
西村祐亮の経歴は?
西村祐亮氏の経歴は素晴らしいものだ。幼少の頃はサッカーをやっていた。1999年にU-12のサッカー日本代表に選ばれるなど、その実力は折り紙つきだった。しかし、11歳の頃から足に違和感を覚え始め、診断したところ結果は骨肉腫だった。右足が不自由となり、サッカーは断念せざるを得なくなった。2008年には右足の切断を余儀なくされてしまった。
その後、バスケや陸上、卓球、水泳など様々な障害者スポーツにチャレンジしたものの、自分の中でしっくりくる感覚を得られなかったようだが、2009年に車いすテニスと出会い、水を得た魚のように凄まじい活躍を見せた。
高校は群馬県の伊勢崎高校、大学は高崎健康福祉大学の薬学部に進学。卒業後、車いすテニスのプロとして生活すべく日々邁進していた。
もともと類まれなる運動神経を持っていた西村祐亮氏。病気さえなければ、自分はサッカーというメジャースポーツの日本代表になれたというやるせない気持ちがあったことは容易に推察できる。いろいろな障害者スポーツを経験し、車いすテニスにたどり着いた理由を、西村祐亮氏は以下のように語っている。
他の障害者スポーツと比較しても競技人口が圧倒的に多いため実力が目に見えることや健常者ともコートを挟んで対等に打ち合えるということもこのスポーツを選んだ理由です
この発言からも読み取れるように、西村祐亮氏の中では自分が健常者としてスポーツをしたかった、健常者を相手に勝ちたい、というやり場のない強いコンプレックスがあったのではないだろうか。
こうしたコンプレックスは、日常で強く意識していなくても、心の無意識に強いストレスを与える。今回の盗撮の理由は「ストレスが溜まっていた」ということだが、その背景には西村祐亮氏のこのような葛藤があったのではないだろうか。
しかし、それを犯罪行為という形で出してはならない。スポーツマンらしく、スポーツで発散させるべきであった。
西村祐亮は五輪出場停止になるか?
現在日本2位の西村祐亮選手だが、現時点でリオパラリンピック出場の選考待ちの状況だ。直近のジャパンオープンでは振るわない結果で終わったようだが、現在日本ランク2位ということもあり、リオパラ五輪の出場の可能性は十分にあった。
今回の事件を受けて、協会側からのコメントはまだ出ていないが、五輪への出場は絶望的となるだろう。
もっともまずいのは、この事件が車いすテニスプレーヤー、すなわち障害者によるものだからといって、特別な報道を受けることだ。障害者であることと、犯罪を犯すことは全く無関係のことだ。
最近スポーツ関連の不祥事が多いが、来るオリンピック・パラリンピックに向けて、前向きな話題を期待したい。