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4月14日の夜。熊本を中心に震度7にまで及ぶ大地震が発生した。九州全域で揺れが観測されており、地震規模も東日本大震災や阪神淡路に匹敵するものだった。家屋の倒壊や火事も発生しており、今後被害が拡大する可能性は高い。沿岸部の揺れはそれほどでもなく、震源地が陸側ということもあり、東日本大震災で甚大な被害を及ぼした津波の心配はなさそうだ。
しかし、九州には大きな心配を抱えるものがある。阿蘇山だ。
阿蘇山は、2015年の9月にも噴火が見られ、活火山としての存在感を増していたところだ。熊本が最も震度が大きく、今回の地震の一報を受け、阿蘇山の噴火の心配をした人も多いのではないだろうか。
阿蘇山噴火のリスクは甚大
阿蘇山はたびたび小規模な噴火が見られる活火山だ。我々が生きている時代においては、大きな火山噴火はなく、火山の噴火というものにそれほど恐怖を感じない人も多いのではないだろうか。
しかし、阿蘇山級の火山が大噴火を起こすと、破滅的な被害をもたらすことが歴史上の経験からわかっている。約9万年前に阿蘇山は大噴火を起こしている。学術的には「Aso4」という名前のつく、世界的にも最大級の規模の噴火だった。この噴火の威力は、九州全土を数時間で焼き尽くし、その地の生物をすべて焼き尽くすほどの威力だったという。
仮に「Aso4」レベルの噴火が現代において発生した場合、九州地方の人口の約半数が命を落とす可能性があるという。火口から吹き出た溶岩流は、時速100km/h以上ですべてを焼き尽くしながら進み、その威力は止まらない。火山灰は朝鮮半島や関東にまで及ぶ可能性も指摘されている。
学会的には、そのレベルの破滅的噴火が今後100年以内に起こる可能性は1%程度という見通しが示されているが、発生した時の被害を勘案すれば、期待値的にはあまりにも高いと考えられる。
阿蘇山は九州大地震により噴火するか?
現在のところ、この地震による阿蘇山の活動の変化は報告されていない。震源地は阿蘇山を構成する断層と少し離れており、地震と噴火の直接的な因果関係はないというのが正しい見方だろう。
とはいえ、人間は自然を完全に理解することなどできない。今回の地震がきっかけで、噴火への刺激がないとも限らない。
ただ、阿蘇山は昨年に噴火を起こしており、「ガス抜き」はできているはずだ。今回の地震が即座に阿蘇山の噴火に結びつく可能性は極めて低いと考えて良さそうだ。
いずれにせよ、被災地の方々の不安が早く解消され、1日も早い日常生活の復旧が行われることを願うばかりだ。