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25年ぶりの「非常に強い台風」だった21号は、日本の交通機関に多大な影響を与えました。
関西国際空港、通称「関空」も大きな台風被害を受けた交通機関です。
今回は、関空の受けた台風被害と、それに伴う関空閉鎖の解除時期についてまとめていきます。
冠水とタンカー衝突のダブルパンチ
関空が台風21号で受けた被害は、かなりひどい状況です。
滑走路Aのほとんどが高潮の影響により冠水し、使用できなくなりました。
また、ターミナルビルにまで浸水が及び、過去に類を見ない被害となったと報道されています。
台風21号の高潮の影響で漂流していたタンカー「宝運丸」(ほううんまる:全長89m、2591トン)が、関空と対岸を結ぶ連絡橋に激突したことで、連絡橋の道路がすべて閉鎖されてしまいました。
道路が閉鎖されたことにより、関空内に残る一般利用客と関空スタッフの計5000人ほどが空港内に孤立した状態になっています。
現在は、高速船や無料シャトルバスでピストン輸送を繰り返し、孤立した利用客の救助が行われている状況です。
関空の通常営業はいつになるのか?
報道では、関空スタッフへのインタビューが掲載されていました。
一部の新聞では「1週間前後」で通常営業再開かと言われていますが、現場の声はどうやら違うようです。
関空を運営する関西エアポートは「再開が見通せない」と説明していることから、通常営業再開まではかなり長い期間を要する可能性が高いです。
滑走路Aの冠水は水が引けば使えるかも知れませんが、冠水による空港設備の安全点検が済むまでは営業を再開できないだろうとも言われています。
ジャンボジェット機をけん引する空港作業車両の水損具合によっては、1日の発着便を減らして対応する可能性もあります。
ここまで被害が大きくなったのは、台風による高潮だけが原因ではありません。
元々、関空の滑走路Aは、日本で最も低い(海抜)位置にある滑走路でした。
今回の冠水被害は起こるべくして起こったというのが、専門家の見立てです。
関空の最も低い標高は、滑走路の南側にある1.4mの地点です。
高潮の最大潮位が3.3mでしたから、1.4mの滑走路が冠水するのは当然です。
関空のすぐ近くにある神戸空港で冠水しなかったのは、この最低標高地点が5.2mだったことが要因です。
埋め立てによる海上空港の関空は、元々高潮被害にあいやすいと言われていました。
奇しくも冠水被害のあった9月4日は関空の開港記念日でもありました。
その記念日に、最悪の被害がもたらされたのは、驚くべき偶然であることがわかります。
埋立地にある人工海上空港は関空だけではありません。
前述した神戸空港、中部国際空港、北九州空港なども海上空港です。
また、ウォーターフロントと呼ばれている人工島は、空港だけではありません。
人工島の上に住宅地や商業地、工業地が広がっていることも多くあります。
今回の事故で感じたのは、日本の災害対策の稚拙さです。
東日本大震災の津波で、専門委員会まで立ち上げて対策をしました。
しかし、その対策はあくまで原発事故につながらないようにするためのものです。
高潮による被害が及ぶということは、津波による被害も免れないということになります。
確かに関空に津波が来ることは少ないかも知れません。
しかし、いつ大地震による大津波がこないとも限りません。
それほど日本は多くの災害の上で暮らしているということを頭に入れておくべきでしょう。
今回の高潮被害を教訓として、人工島への高潮、津波対策は急務になるのは間違いないでしょう。
政府主導で動かなくても、マスコミが黙っていないはずです。
台風21号は「被害」だけでなく、「教訓」も私たちに置いて行ってくれたのではないでしょうか?