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働いても働いても貯金ができず、日常の生活を送るだけで精いっぱいの勤労者を「ワーキングプア」と呼びます。
リーマンショック後に派遣社員の職を急に失う「派遣切れ」が起きた時に、複数の派遣職を掛け持ちしたり、複数のアルバイトを掛け持ちする勤労者の存在が明らかになりましたが、同時にいくら働いても貯金も出来ず将来の人生設計に不安を感じている「ワーキングプア」の存在がクローズアップされました。
そもそもこの「ワーキングプア」の明確な基準はどのようなもので、具体的に年収がどの程度の勤労者を指すのでしょうか。
年収200万円以下の勤労者がワーキングプアとされる
厚生労働省では、ワーキングプアの年収を「200万円以下」以下と一般的定義しています。
厚生労働省が行う「賃金構造基本統計調査」のおいて、平成28年度の調査結果によると収入が200万円以下の人口は約1,069万人となってました。
その他、厚生労働省がワーキングプアの定義として考えているのは、正社員であっても最低限の衣食住の費用を確保することも困難な場合や、拘束時間が長い割に時間に見合った収入が得られない派遣社員も含まれています。
また、生活保護の受給者と同等あるいはそれ以下の収入しか得られない勤労者もワーキングプアに該当すると考えられます。
いずれにせよ、働いた時間や内容に見合うだけの収入が得られていない場合、その金額が年収200万円以下になっている勤労者がワーキングプアと考えていいでしょう。
実際にワーキングプアに陥っている勤労者はどのような生活をしている?
仮に年収が200万円だった場合、月当たりの手取り額は約15万円になります。
これが150万円だった場合は手取りで月額約11万円、100万だった場合は手取りで月額約9万円となり、明らかに衣食住の確保に支障をきたす状態であることが伺えます。
年収200万であった場合、約15万円ですべての支出を賄おうとすれば、以下のような構造になります。
家賃 50,000円
食費 30,000円
電気代 5,000円
ガス代 5,000円
水道代 2,000円
電話代 8,000円
衣類代 5,000円
雑貨代 5,000円
ガソリン代 10,000円
医療費 5,000円
慶弔費 5,000円
遊行費 10,000円
予備費 10,000円
これで15万円です。
遊行費や予備費を切りつめても貯金ができるかと言えばそうではないでしょう。
ましてや、15万円を得るために複数の派遣先やアルバイト先を確保しているのですから、働いた時間の割には収入は少ないですし、非正規雇用のため昇給やボーナスが見込めないので、結婚やその後の子育てを行う展望すら見えてきません。
日々何かを節約したり我慢しながら暮らしているワーキングプアの人が、働いただけ報われる環境を得られるのは程遠い状況となっています。
ワーキングプアは低学歴の人だけでなく、高学歴の人でも存在します。
自身の学歴と知識を評価してくれる職場に巡り合えないうちに年齢を経過して、正社員として採用してもらえる業種も狭まってしまったからです。
ある程度妥協して就職すればそのような事にはならなかったのでしょうが、時がたてば既に取り返しがつかない状況になっている場合もあります。
今後様々な年代のワーキングプアが増えてくることは十分に予想されるので、国としても本腰を入れて対策を講じる必要があるのではないでしょうか。