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東京から国内外に移動するときに最も時間が短くて済むのは飛行機の利用です。
東京周辺では国内線中心の羽田空港、国際線中心の成田空港の2か所がありますが、最近では羽田空港の利用者がどんどん増えています。
特に、2020年の東京オリンピック開催を踏まえた羽田空港の発着便を増やす取り組みが考えられていて、そのための滑走路整備なども着々と行われています。
増やせば増やすだけ儲かるはずなのに、羽田空港の発着便をすぐには増やせないのには理由があるのでしょうか。
飛行経路の見直しをしなくては発着枠が増やせない
もともと羽田空港は、首都である東京の真上を飛行機が飛ばないように飛行経路を定めています。
アメリカであった9.11同時多発テロのようなことが起きたり、飛行直後に機体トラブルを起こして墜落した時のことを想定して、なるべく海上を飛行するようにしてあるのです。
例えば西向きの飛行経路は、羽田空港を飛び立ってから都心の上空を飛ぶのではなく、いったん太平洋に出て東京湾に沿って南下するように進み、その後伊豆半島をかすめながら海岸沿いを西に向かうように進みます。
もちろん、現時点で羽田空港がフル稼働状態になっていることは分かっていますから、国土交通省では時間帯や風向きを考慮しながら効率的に活用できる新経路を検討しています。
この新経路が実際に導入されると、国際線の発着枠が最大で約1.7倍、1日あたりの便数として約50便を増やすことができると試算されています。
国際線の飛行枠を増やすのは「外交交渉」
羽田空港の発着便を増やす時、オリンピックを見据えると当然国際線の枠を増やすことが求められています。
ですがこの「飛行枠」については、どの航空会社も黒字になるのが分かっている場合は競争が激しくなるので、まず国と国とが発着枠について協議して、決定した枠数を各国の責任で航空会社と協議して割り当てる仕組みになっています。
つまり、飛行枠は外交交渉で決定されるものなのです。
例えばアメリカと協議する場合、大手航空会社が4つあるとして、当然どの航空会社にも均等に枠を配分しようと思えば「4枠」を求めてきますが、他国からも同様の要望を受けていると当然枠数がいくらあっても足りませんから、実現不可能になった場合は外交問題に発展するわけです。
発着便数を増やすためには、設備や運用の工夫で何とかなることもあるのですが、それだけではどうにもならない問題もあると言うことですね。
日本国内でも、自分の地域と東京の往来が早く移動できる飛行機の便数を増やしたいと思っている都道府県は多いものです。
国際線の枠を増やすぐらいなら、国内線の枠を増やしてくれ!と思っている関係者も当然多いのです。
オリンピックに向けて約50の発着枠が増えたとしても、まず国内枠と国際枠の割り当てで紛糾する可能性もあります。
いろいろな人の要望を満たすのは大変でしょうが、早く整理して羽田空港の利便性を向上させてもらいたいものです。