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東北新幹線が盛岡~新青森間で時速320キロ運転を解禁するという報道がされました。
今回は、いつから320キロ運転が開始されるのかという事と、今後の新幹線営業の課題についてまとめていきます。
320キロ解禁はいつから?
時速320キロ解禁は、1月16日のダイヤ改正から行なわれます。
これにより、これまでの東北新幹線の最高速300キロを大幅に更新し、盛岡~新青森間の所要時間を従来よりも10分程短縮できるようになります。
2030年度中に北海道新幹線が札幌まで延伸されることを見据えた戦略の一つで、ライバルである航空機に対抗する手段として200億円のコストをかけるようです。
もともと新幹線「はやぶさ」は320キロ走行に対応した設計をされていました。
特徴的な車体は、高速走行を可能にするフォルムです。
ではどうして今まで高速走行が行なわれず、従来の300キロ制限で走行していたのでしょうか?
それは「騒音の問題」です。
時速300キロから320キロにアップさせると、騒音がこれまで以上に大きくなるため、防音壁や吸音板の整備が必要になります。
こうした「音の問題」をクリアするために200億円の資金で盛岡~新青森間の整備を行なうようです。
今後の新幹線の課題
北海道新幹線が開通したのが2016年3月26日です。
しかし、2017年度は営業赤字を計上し、新幹線利用客が年々減っています。
これは新幹線の所要時間が問題なのではなく、新幹線を使った観光地に行く手段が不便だからという指摘もあります。
まず、新青森駅から青森駅までは在来線で5分、新函館から函館駅までは「はこだてライナー」で20分かかります。
この乗り換えが不便だと観光客の不人気につながっています。
不人気の証拠として、青森港から函館港を結ぶフェリー客が年々増加しており、現在はフェリー会社2社が1日16便を運航させています。
東京から新函館を結ぶ新幹線「はやぶさ」は1日に3本しか運航されていません。
夏場などは問題なく4時間を切ることが出来ますが、冬場などは雪の影響で4時間以上の時間がかかる場合もあります。
時間通りに観光が出来ないのは、観光地にとって大きなダメージとなります。
待たされた挙句、観光地までの移動方法が面倒なのであれば、多少時間がかかっても、観光の時間を計算できるフェリーに人が流れるのは当然と言えるでしょう。
こうした観光客の利便性の向上が今後の新幹線に課された課題とも言われています。
最高速度上限を引き上げることも大事かも知れませんが、観光客の利便性を考慮した投資を行なう必要があるのではないでしょうか?
スピードに関しては、航空機と肩を比べるのは筋違いと言えます。
北海道旅行=空の旅or海の旅というイメージが根付いたのは、こうした新幹線戦略のズレが原因だという指摘もあります。
今では飛行機やフェリーも格安で旅をすることが出来ます。
それに比べて新幹線は格安運賃サービスなどが無く、利便性も低いですから観光客の選択は至極当然でしょう。
安いか便利かというシンプルな結論が現在の北海道新幹線の低迷に繋がっていると感じます。
200億円を投資するのであれば、最高速度を引き上げるための投資ではなく、新幹線の運賃を引き下げるための投資に使うとか、現状のチケットに観光サービスで利用できる地域性のクーポンなどの付加価値をつけるといった違う視点からの戦略が必要なのではないでしょうか?
こうしたことを含めて、今後の新幹線営業の巻き返しに注目です。