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6日(日)の午後5時20分頃、明治神宮外苑近くの軟式野球場で開催されていた『東京デザインウィーク』のイベント会場で、展示物である木製のジャングルジムが燃える火災が起こった。
当時そのジャングルジムでは何人かの子供が遊んでおり、その内の一人だった5歳の男の子が逃げ遅れて死亡、助けようとした大人二人が軽傷を負う痛ましい結果になった。
なぜ火の気のない展示物から出荷したのか。原因は照明器具だったという。
火災の原因は照明器具
東京デザインウィークとは、毎年秋に開催されている、デザイン・アート・ミュージック・ファッションなど、最先端のクリエイティブの祭典である。展示物を観るだけでなく、実際に触ったりして体感することも出来る、大人も子供も楽しめる人気のイベントで、毎年10万人以上の来場者がある。
今回の火災の現場となった展示物はその中の一つで、日本工業大学の学生が制作したジャングルジム型の作品『素の家』だった。太さ4~5cmほどの角材の枠を組み合わせて作られており、高さは3m、幅5m、奥行きが2mほどの大きさである。中心付近には大量のおがくずが絡みつくように飾りつけられており、日が暮れるとそれを上下からライトアップしていた。
この照明器具に関して、当初の大学側の説明ではLED電球が使われていたというだったが、7日になり白熱電球の投光器も使用していたことが分かった。元々は展示物を設置する際に使用していた物だったが、現場にいた学生が照明用として植木鉢のようなものに入れて使っていたという。しかもケーブルの長さの関係で展示物の内部に設置したということである。
火災の原因はまだ特定されていないが、ライトアップに使用された照明器具が熱を持ち、周囲のおがくずに伝わって燃え広がった可能性が充分に考えられる。
なぜ火災は防げなかったのか
照明に使われていた2種類の電球の内、LED電球は光自体の発熱量は低いものの、本体に熱を蓄積しやすいため、可燃材のそばで使用すれば火災の危険がある。今回はおがくずという燃えやすい物の近くで使用していたのだから、当然危険性はあったわけである。
この作品を作ったのは工業大学の学生である。LEDに関する知識は一般の人間よりもあると思うのだが、使用に関して誰も危険性を感じなかったのだろうか。
そして白熱電球である。これが熱を持つことは誰もが知っている。うっかり触ると火傷をしかねない程の熱さになる。そんなものをおがくずという可燃材の傍に置くという危険な行為を、工業大学の学生がしたことが信じられない。
しかも、主催者側は作品のチェック体制について、事前に学生側が提出した書類で構造の確認はしていたものの、その種類に照明と素材などの詳しい記載がなかったと説明。全部で600ある作品を一つ一つ詳しくチェックしていくのが困難だったとしている。
しかし作品も様々で、ただ眺めるだけのものから、この作品のように中に入って遊ぶことの出来る体感型のものまである。ジャングルジム型であれば、当然小さな子供が遊ぶことが予想されるだろう。せめて、そういう作品に関してだけでも詳しいチェックに時間を割けなかったのだろうか。
もし、工業大学生に一般人並みの知識があったなら、そして主催者側のチェックが詳細にわたりされていたのなら、この火災は防げたのかもしれない。
亡くなったのは東京都港区の幼稚園児、佐伯健人くん。わずか5歳だった。助けようとした父親と居合わせた男性の二人が顔に火傷などを負った。
周囲にいた人達が消火器を探しに走ったようだが、会場にはほとんど用意されておらず、ようやく探し当てたのもやっと1~2本のみだったようだ。そのため多くの人たちは、火が燃え広がるのをただ見ているしかなかったという。
「もし・・・していたら」「あの時・・・していれば」
言い出したらキリがないが、叶うものならば時間を巻き戻して、全ての「たら」と「れば」を現実のことにしたい。