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発症すると死亡することもある感染症『新型カンジダ症』の患者が、アメリカで初めて報告された。アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、2013年5月から2016年8月に発症した患者が7人、それ以降に発症し現在調査中の患者が6人で計13人。そのうち4人が死亡しているという。
『Candida auris(カンジダ・アウリス』という真菌が引き起こすこの病気について、CDCは世界的脅威になると警鐘を鳴らしている。過去に日本を始め多くの国々で発生が報告されている『新型カンジダ症』とは、一体どんな病気なのだろうか。
新型カンジダ症とは
2009年、新型カンジダ症を引き起こす真菌カンジダ・アウリスが世界で初めて分離されたのは、日本の患者の外耳道の分泌液からだった。その後、英国、コロンビア、インド、イスラエル、韓国など10か国で発生が報告されている。
カンジダ・アウリスが引き起こす症状についてはまだ詳細な発表がされていないが、ひとつ分かっていることはこの真菌が薬剤耐性を持っているということである。
薬剤耐性とは、薬剤に対して抵抗性を持ち、これらの薬剤が効かなかったり効きにくくなったりする現象のことである。ほとんどのカンジダ・アウリスにはエキノカンジン系抗真菌剤が効果的だが、この薬剤を使っても死滅しなかった真菌が耐性を持ってしまうようだ。そうなると治療が非常に困難になると思われる。
従来のカンジダ症の場合は、口や性器、皮膚などの粘膜組織、皮膚組織で発症する。例えば口の中で発症すると、白いカビのようなものが生えてきたり、舌などが痛むという症状が現れる。
元々カンジダ菌はどこにでもいる常在菌であり、免疫力が正常に機能していれば菌は増殖することもなく発症もしない。しかし、ストレスや疲労などの蓄積で身体の免疫力が低下していると、菌は増殖を始め体中を蝕んでいくのである。万が一血管にカンジダ菌が侵入すると、敗血症を引き起こす恐ろしい一面も持っている。
仮に、このカンジダ菌が薬剤に対して耐性を持った真菌に変化し、それによって起こる症状を新型カンジダ症と呼ぶのだとすれば、その症状はカンジダ症と同じようなものかもしれない。しかし、治療をしようにも薬は効かない。そのうちに体中に菌が増殖した末に何らかの合併症を引き起こし、最悪の場合死に至るという経路をたどるのではないだろうか。
新型カンジダ症への対策とは
新型カンジダ症がどのような経路で感染するのか、はっきりしたことはまだ解明されていない。従来のカンジダ菌は、人同士の接触や菌が付着した物を媒介して感染するが、新型の場合もそれは大いに考えられる。
今回発表された感染者は全員が他の病気で長期間入院していた患者であることから、今回は院内感染であったことが考えられる。医療施設、医療器具が汚染されていたか、人から人へ感染した可能性が高いと思われるが、確定に至るまでにはまだ調査が必要なようだ。
その上で、私たちが新型カンジダ症への感染を防ぐためにはどうすればいいかを考えてみた。
まず、免疫力が弱まっている状態では菌に対抗することが出来ないので、免疫力を常に高めておくことが必要だと思われる。睡眠を充分にとる。バランスの良い食生活を心掛ける。発酵食品を摂って腸内環境を整える。手洗いうがいをかかさない。適度な運動を心掛ける。
これらのことは全ての病気を予防するために有効な方法であるが、これが新型カンジダ症に対して有効かどうかは分からない。今後の調査の進行を見守るしかないだろう。
新型カンジダ症については解明されていることが少ないため、従来のカンジダ症に関する知識を応用するしか今のところ対応のしようがない。
この真菌が日本に渡って来るのかどうかは分からないが、いずれにしてもそろそろインフルエンザが流行の兆しを見せている時期でもあり、免疫力を高めておくという病気予防の基本中の基本は押さえておくべきだろう。