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日本と北朝鮮の外相が8月3日夜、シンガポールで「接触」しました。
接触と言うのは訳があって、あくまで公式の「会談」ではなく、アジア各国の外相級会合が行われているシンガポールで開催された晩さん会で同席しただけだからです。
いわゆる立ち話レベルのことでも「接触」と言わざるを得ないこの実情は不可解ですが、そもそも北朝鮮は日本となぜ「会談」しないのでしょうか。
安倍首相など日本首脳は会談を熱望している
実際のところ、会談を希望しているのは日本側のようで、北朝鮮側はあまり乗り気でない様子です。
この6月には安倍晋三首相が日朝首脳会談の実現に向けて外務省に調整を指示していることを明らかにしています。
それを受けて、今回の外相級会合で河野太郎外相が接触を試みた結果、世間話程度ではあるものの日朝の閣僚同士が言葉を交わすことに成功した模様です。
このようなレベルで「成功」と言わざるを得ない理由は、北朝鮮が公式会談を拒否し続けているからです。
拉致問題について追及されるのを拒む北朝鮮
北朝鮮がここまで日本との会談を拒否する理由は、両国間にある「拉致問題」が影響しているからです。
日本は自国民を拉致した北朝鮮に生存している国民の帰国を要請しているのに対し、北朝鮮側は以前認めた拉致者以外は存在しないというスタンスを貫いているからです。
問題が解決したのに、なぜ日本は何度もその問題を蒸し返すのか!と言うのが北朝鮮のスタンスのようです。
さる6月に行われた金正恩委員長とトランプ大統領との米朝首脳会談でも、トランプ大統領が日本の意向を汲んで拉致問題に言及するなど、北朝鮮側からすれば日本の言っていることは「いいがかり」であり、他国に「いいつける」のも気に食わないわけです。
北朝鮮は日本よりもアメリカとの関係が重要
北朝鮮にはもう1つ事情があります。
自国の経済に悪影響を与えている国際的な経済制裁を解除してもらうには、アメリカとの関係を改善するのが一番です。
アメリカと関係が改善出来れば自国の政治体制も保証されるし、ある程度アメリカの要求に応じる姿勢を見せていれば経済制裁解除も見えてきます。
一方、日本との関係を改善しても何のメリットもありません。
むしろ、アメリカとの関係改善を図りたい北朝鮮にとって、拉致問題を告げ口する日本は邪魔でしかないのです。
実際、北朝鮮は韓国、中国、アメリカの首脳とは直接対話を行いましたが、日本については明確に「蚊帳の外」に置こうとしています。
つまり、日本を外交的に孤立させておくことで、例えば「弾道ミサイル問題に日本は関係ない」として、直接アメリカとの対話を行える状態を維持したいわけです。
北朝鮮が二枚舌どころか三枚舌外交をしてきたことはみんなが知っています。
今は表面的にアメリカと対話外交を進めていますが、首脳会談時に約束した弾道ミサイル開発計画も廃棄するどころかひそかに進めているなど、国の首脳同士が約束したことも平気で破るのが北朝鮮です。
日本を今は「無視」している北朝鮮でも、アメリカとの関係次第では再び歩みよってきて援助を求めようとする可能性もあります。
実際、小泉首相時代に拉致被害者とその家族が解放されたのは、北朝鮮がアメリカの経済制裁で苦しんでいる時に、アメリカの同盟国である日本に揺さぶりを掛けるためだったわけです。
今日の発言と明日の行動が違うのが北朝鮮の「当たり前」と思ってみているぐらいで、ちょうどいいのかもしれません。