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先の国会で労働基準法が改正されたのですが、その中で「有給休暇を使用者が指示して取得させる」制度が加わったことは、あまり知られていません。
今回の通常国会で「働き方改革法案」が成立したことにより、年10日以上有給休暇の権利がある従業員については、最低でも5日以上は有給休暇を与えることが義務付けられたのです。
この改正で、有給休暇の消化日数が5日未満の従業員に対しては、企業側が有給休暇の日を指定して有給休暇を取得させる必要が新たに生じます。
では、実際に私たちは有給休暇を取りやすくなるのでしょうか?
改正分の有給休暇は使用者から命令される
そもそも、年間10日以上の有給休暇を取得することができる人は以下のような条件で働いている人です。
○正社員やフルタイムの契約社員の場合…入社後6か月たてば、年10日の有給休暇の権利が発生しますが、それまでの出勤率が本来の勤務日を基準として8割以上であることが条件です。
○パートやアルバイト社員の場合…週30時間以上の勤務が義務付けられている場合は有給休暇を与える義務が生じるので今回の労基法改正の恩恵を得られます。
これらに該当する労働者が、有給休暇を5日未満しか取得していない場合、有給休暇を5日分取得させるように使用者から取得を命じられるのです。
ただし、パートやアルバイト社員の場合でも勤務年数の実績によっては有給休暇を取得させる義務が生じるので、やがて今回の法改正の恩恵を得られるようになります。
実際には使用者と労働者の個別協議
この法改正により、実際に何が生じるのかと考えると、まず思いつくのは「使用者と労働者の個別協議」です。
使用者は労働者に「5日有給休暇を取得しなさい」と命じることができ、5日に満たないまでも多少有給休暇を取得している場合は、「5日に達するまでの残った日数を有給休暇で休みなさい」と命じることができるのです。
もちろん、命じられても自分の都合の悪い日に休日を指定されてはたまったものではありませんから、個別協議してお互いに納得のできる日に休むことになります。
ちなみに、使用者は有給休暇を取得させなかった場合には罰則が科せられることはなく、あくまで個別に労働基準監督署から指導を受けるだけのようですが、ただの指導だけならばあまり強制力もないので、企業がこのルールをきっちり守るのかは疑問符が残ります。
ですが、労働者である私たちは「有給休暇5日分休めるはずだ!」と何かの折に訴えることができるようになったのは、働き方改革のささやかな恩恵なのかもしれません。