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TOKYO DESIGN WEEK2016の学校作品展において、日本工業大学の作品「素の家」から火の手が上がった。中には5歳の佐伯健仁くんが取り残され、消火後に搬送先の病院で焼死と断定された。助けようとした父親と40代の男性も顔にやけどを負っている。
火災の元となった作品は木枠を重ねたジャングルジム内におが屑を絡めたような造りになっていた上、子供が中に入って遊べるようになっていたという。死者を出した作品は、一体どのような安全管理を行っていたのだろうか。
木製の作品内に白熱電球を使用か?
さきほど軽く触れたとおり作品は木製ジャングルジムと表現されるような外観にくわえ、中央部分は木枠におが屑を絡めており、中に鳥の巣が納まっているような形状になっていた。
この作品のライトアップは中央部分にLED電球が使用されていたほか、出火当時には白熱電球の投光器が使用されていたという。当初はLED電球のみの予定であったため大学もそう発表していたが、変更後に白熱電球を使用していたことが7日の大学会見により明らかにされた。
LED電球の使用だけなら誤解もあるだろうが、白熱電球の近くに可燃物がある際の発火性の高さは多くに知られるところだ。鉢植えのようなものに入れて地面に置いて使っていたという事だが、誰も止めなかったのだろうか。
さらにLED電球についても、確かに白熱電球よりも電気効率がよく低温だが熱源であることに変わりはない。今回の件を受けて東京消防庁は「白熱電球やLEDを問わず、近くに可燃物を置かないように」と呼びかけている。
管理体制に問題か?使用素材や照明「チェックが難しい」
おが屑の密集した木製の作品内に電気を置いたこの作品に、安全性のチェックは入っていなかったのだろうか。調べたところ、主催のTOKYO DESIGN WEEKは計画書によって安全を確認していた。
書類では作品の高さや、怪我につながるようなとがった部分がないか確認しているが、照明の位置や素材などの記述はなかったとしている。川崎健二社長は600点の作品すべての詳細をチェックすることは難しく、デザイン性の問題もあり口を出すのは難しいと話した。
また学生作品展の責任者は、消防法に照らし合わせても問題なく展示できるように、照明を使う作品には電圧制限をもうけていたと話す。だがTwitterなどで公開されている火災前の作品を見る限り、おが屑付近にむき出しの電球が吊るされているのが確認できる。主催が実際に中を見ていたら制作サイドに安全性を確認して指導できた可能性は高い。
死亡事故が起きてしまった以上、今後素材や照明のチェックを求められることは必至だろう。警察はこの件を業務上過失致死傷容疑の方向で検証を進めている。
楽しいイベントが一瞬にして驚愕と悲しみに包まれ、5歳の命を奪われてしまった今回の火災。同じようなことが二度と起こらないように徹底してもらいたい。