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京阪本線萱島駅でパンタグラフが破損して運転見合わせという事態が発生しました。
今回は、パンタグラフが破損した理由と、パンタグラフの役割についてまとめていきます。
パンタグラフの役割とは?
電車や電気機関車などはガソリンではなく電気を使って線路を走っています。
線路の上にある送電線から電気を取り入れ、走行するためのエネルギー元として蓄えています。
電気エネルギーを受ける装置を「集電装置」と呼び、送電線から電力の供給を受けて走行します。
パンタグラフは、この電力の供給を受けるために重要な役割を持っており、パンタグラフが送電線に触れることで、継続してエネルギーを受け取ることができるという仕組みです。
北海道や広島、長崎などにある路面電車も現在の形のパンタグラフを使った方式に切り替わりましたね。
以前は、ひし形のパンタグラフではなく、トロリーポールと呼ばれる棒状のパンタグラフで電力の供給を受けていました。
このトロリーポールは、進行方向に合わせて、取り付ける位置をわざわざ手動で変更しなければならないというデメリット(感電事故など)があるため、手動切り替えが不要なひし形パンタグラフに変更されました。
意外と知ってるようで知らないパンタグラフの役割と歴史について確認したところで、今回のパンタグラフ破損の原因について探っていきましょう。
パンタグラフが破損した原因は何?
現在京阪線を運営する京阪電鉄から発表はありませんので、パンタグラフが破損した原因については調査中とのことでした。
ただ、破損している状態を見ると、電力を供給するパンタグラフの送電線との接触部分がぽっきりと折れてしまっていることがわかります。
何かしらにぶつかっての破損なのか、それともパンタグラフ自体が老朽していたのかは定かではありませんが、パンタグラフが折れてしまっては、車のガソリン供給ラインがストップしたのと同じことですから、走るどころか、車内のエアコンなども全てストップしています。
過去にパンタグラフが破損した原因には、パンタグラフではなく、送電線に通常とは違う鋼材を使用したことで送電線が外れてしまい、パンタグラフに負荷を与えて破損という事例も2018年2月にJR東海で発生しています。
2015年6月には埼京線でパンタグラフの破損があり、この時の原因は過大電流だったことが分かっています。
どんな原因にせよ、電車の中に取り残された乗客の皆さんは、エアコンも聞かない鉄の塊の中に長時間居続けることになったため、熱中症になりかけた人もいたそうですね。
走行だけではなく、車内のシステムも全て電気で賄っている電車のデメリットでもあります。
今回の事故に関して、再発防止のために鉄道各社がパンタグラフの再点検を行うのはほぼ確実でしょう。
しかし、あくまでも再発防止の修繕策であって改善策ではありません。
2020年東京オリンピックで同様のことが起きたらどうなるのでしょうか?
海外からの流入客は東京だけで100万人を超えると試算されています。
しかも真夏に行われるオリンピックな上、海外ではあまり体験できない日本特有の蒸し暑さが外国人観光客を襲うのは間違いありません。
JRをはじめ鉄道各社が、本腰を入れてパンタグラフ破損について議論しないといけない時期に来ているのではないでしょうか?
もちろん鉄道各社だけではなく、政府の国土交通省などの行政側も第3者の立場から危機管理に関して議論する必要がありますし、私たち一般市民も同じように声を挙げなければなりません。
その部分を考えて事故原因の解明と再発防止に向けた取り組みをしてほしいものです。