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福岡県北九州市にある『スペースワールド』
宇宙をテーマにしたテーマパークで、絶叫系コースターやカピパラを見ながらお茶が飲めるカフェ、子供向けのライドなどがある、ファミリー向けの施設である。
冬から春にかけては特設のアイススケートリンクが毎年人気を集めているが、今年はそのスケートリンクが別な意味で注目を集めている。
『前代未聞のアトラクションで日本初、いや世界初間違いなし!!』とうたわれた今年の企画が、ネットで批判を浴び、炎上状態なのだ。
氷の水族館とは
『氷の水族館』は11月12日から開催されている。水族館と氷。聞いただけでは想像が出来にくいが、単純に考えれば、寒い地方の海、例えば南極の氷の下に生息する魚を集めた水族館だろうか。
しかし、スペースワールドの氷の水族館は、そんな単純なものではなかった。なんと、氷の中に魚がいる、つまり、魚が氷漬けになっている水族館だったのだ。
しかも、それがただ展示されているわけではなく、魚はスケートリンクの氷の中に閉じ込められているのだ。その数はなんと5000匹だという。
実物の写真を見てみると、そのグロテスクさに驚く。色とりどりの魚が美しく飾られているのをイメージしていたのだが、決して美しいとは言えず、これでは批判が集まるのも無理がないと思えるものである。
中には、小魚の群れを表現したり、エイやジンベイザメだと思われる魚があったりと、子供には充分楽しめると思われる箇所もあるのだが、一部は近づきたくないようなところがある。
血液が漏れ出している魚。氷から背の部分がはみ出している魚など、その上を滑ったらとんでもないことになりそうである。
もしかしたらこの写真は、氷を作っている過程の物で、現在はきちんと修正されて営業しているのかもしれない。いや、そう願いたくなるような状態なのである。
しかし、この企画。27日をもって中止になってしまった。
なぜ炎上したのか
この企画を中止に追い込んだ批判とはどんなものだったのだろうか。
まず、気持ちが悪いというもの。滑っているうちに氷が削れて、中の魚が出てきてしまうのではないかというのだ。
他に、残酷だ。魚が可哀相だという意見。
これに対してスペースワールド側は、この魚たちは生きているものを氷漬けしたわけではなく、既に死んでいるうえ、販売できない規格外のものを使っていると説明している。また、エイやジンベイザメなどの珍しい魚は、写真を使っているという。
また、終了後は廃棄する予定だったところ、それに対しても批判が殺到したため、廃棄する前に供養をすることに。
企画の意図は『海の上を滑っている感覚を味わってもらいたい』というもので、その発想自体は決して人の道を外れたものではないと思われる。それに、死んだ魚を再利用する、廃棄をする前に供養をするなど、一応それなりに配慮をしていたようだが、世間はそうは思ってくれなかったようである。
そもそも水族館や動物園は、野生にいる方が幸せな魚や動物を閉じ込めて見世物にしている。それを残酷ととらえるのかは、その人それぞれの価値観による。
水族館や動物園は、その生き物たちの生態をきちんと把握し、彼らが生きるために配慮した環境を整えた上で展示しているのである。
それを考えると、この企画を『水族館』と称したのは失敗だったのではないだろうか。氷漬けされた魚の上を滑ることは、魚たちに配慮された環境とは思えない。いや、既に魚は死んでいるのだから配慮する必要はないのだろうか。
どう考えるかは人それぞれである。ネットで気軽に批判出来る時代だが、気軽に批判する人たちの意見が全て正しいとは限らない。