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「ワゴンR」「ハスラー」などの軽自動車を中心として生産・販売しているスズキ自動車が中国での自動車生産をやめて、中国市場から撤退することになりました。
これは8月23日に公式発表されたもので、中国の重慶長安汽車との合弁事業を解消して中国市場から撤退することにしたとのことです。
スズキとしては現在低迷する中国事業から撤退し、好調な市場であるインドでの現地生産などに市場に注力するとのこと。
中国と言えばその人口と経済力から市場として有望とされているはずの市場でしたが、ここにきてスズキが中国から撤退するのには、どのような理由があるのでしょうか?
中国市場のニーズが「高級車志向」になってしまったから
スズキと言えばワゴンR、ハスラー、ジムニーなどの軽自動車や、ソリオ、クロスビーなどの小型自動車がメインのラインナップになっている自動車メーカーです。
トヨタのように高級車から小型者まで幅広いラインナップは持っていないスズキにとって、中国市場のニーズが高級車志向になってきたことは誤算であったと言えます。
中国経済は堅調な状態が続いており、いわゆる「成金」がたくさん誕生しているこのご時世、高級車を買い求めることでステータスを得たいと言う資産家がたくさん存在しています。
スズキとしては、高級車志向が続く中国市場に、あえて自社のラインナップに無い高級車を開発・精算して投入するだけの価値はないと判断したのでしょう。
中国市場での利益が減少するリスクを嫌ったスズキ
実はスズキ、中国に進出する時に地元企業との合弁により進出していた経緯があります。
自社の直営で工場や販売店を持つと、実際に撤退する時に莫大な処理費が必要になるからです。
アメリカでの事業を撤退する時、スズキは自社で販売店や工場を持っていたため、アメリカで立ち上げた企業を倒産させて処理している過去があります。
つまり、アメリカでの失敗をこれ以上繰り返さないために、中国では地元企業との合弁で進出し様子を見ようとしていた部分があります。
でも、自動車メーカーは中国市場に対する熱の入れようはかなりのものです。
スズキのスタンスは正直言って「中途半端」であり、日本で人気の車両を中国にそのまま持ち込んで販売しようとしただけとも言えます。
また、同じアジアでもインド市場に進出した時は「スイフト」などが大成功を収めたので、中国でも同様に成功すると甘く考えた部分もあるでしょう。
いずれにせよ、インドと中国では明らかに風土も国民の嗜好も異なったと言うことでしょう。
スズキは独立系の企業としては小規模の類に入ります。
かつてはGM配下の企業でもありましたが、今は独立系自動車メーカーとして奮闘しています。
日産がルノーに、三菱も日産配下になるなど、自動車メーカー同士の合従連携は日常茶飯事です。
それが無いスズキにとって、独創的な商品を登場させることは容易ではありますが、新事業を興すためのキャッシュフローが他の自動車メーカーに比べて不足することは否めません。
個人的には、今回の中国市場で得た教訓をもとに、これからの企業経営に活かして、起死回生を図ることが出来ることを期待しています。