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2018年10月21日に発生した台湾の列車事故の続報が入ってきました。
以前もこちらのコラムでニュースについてのまとめを執筆しましたが、まさかの事故原因は、列車を製造した日本の企業だったということを各社一斉に報道しています。
事故の直接的な原因になったのは、急カーブに規定速度以上のスピードで進入したことによる脱線です。
ではどうしてそのような速度超過が起こってしまったのでしょうか?
今回は台湾鉄道の事故の原因についてまとめていきます。
前回の記事はこちら↓
日本車輛という企業と今回の事故原因について
台湾のプユマ号を製造したのは、名古屋に本社を置く、「日本車輛製造」という企業です。
日本の大企業である「住友商事」との2社連合で出資と製造が行われました。
日本車輛製造は、1896年に創業された老舗企業で、新幹線の製造の他、建設機械や橋梁、農業用プラントなどを作っています。
今回の台湾列車事故について各社が報道している内容によると、「列車自動制御保護システム」、通称ATPの設計にミスがあったようです。
ATPは列車が速度超過をした場合、自動的に停止させる機能があります。
台湾地裁によると、列車事故の当事者である運転士は、ATPの電源を切っていたことが分かっています。
しかし、ATPの電源を切らずとも、最初からATPが使えない配線になっていたという設計ミスを日本車輛が発表したことにより、今回の事故に関する報道が再加熱しています。
では、どうしてそのような設計ミスが起こってしまったのでしょうか?
設計ミスと人的ミスが重なった悲劇
日本車輛の言い分では、設計担当者が図面を書いたところで、他の担当者が図面の確認を行なっていますが、プユマ列車の場合には、他の担当者も設計ミスに気付かなかったのが、最初のミスです。
そして、本来であれば試験走行を行なって、各システムの稼働確認を行なうはずが、製造後すぐに台湾に輸出されたため、試験運転が出来ず、設計ミスによる修理が行えなかったというのが、第2のミスです。
台湾鉄道の運転士が、ATPが作動しないことを知っていてATPのスイッチを切ったということも口頭で報告しているという事実があることから、台湾鉄道側の危機管理の甘さが今回の事故の直接的な第3のミスにつながったとされています。
それらのミスが重なり、制限速度65Km/時のカーブに、140Km/時~150Km/時のスピードで進入したことで、列車が線路から脱線し、18人が死亡、180人がけがをするという大惨事が引き起こされました。
当初の報道では、運転士が鎮痛剤を乱用していたことで判断力が鈍っていた、ブレーキが何等かの原因で故障していたというような憶測の報道が先行していましたが、今回の設計ミスにより、台湾はもとより、日本やアメリカでも日本車輛の責任を問う報道が過熱しています。
第一報が出てから新しい情報が出ていませんが、今回の報道を受けて日本車輛が出した声明では「台湾側から要請があれば、全ての車両の配線ミスを修理する」としています。
設計ミスをしたのは日本車輛の側なのにです。
人命にかかわる設計ミスに関わらず、台湾側の要請が無ければ修理はしないと大々的に発表しているのです。
これが、自動車であった場合には、問答無用でリコール問題です。
しかし、台湾と日本では法律も違いますし、危機管理の基準も違います。
だからと言って、人命を乗せている列車の設計ミスを、「要請されなければ行わない」というのはあまりにひどい話ではないかと感じました。
人命軽視にもあたりますし、なにより企業の責任問題にも発展しかねません。
日本人車輛は、アメリカへの新幹線売込みなどをも行なっていますが、今回の件で、悪影響が出ることは必至でしょう。
また、今回の一連の報道によって、台湾と日本の間で国際問題に発展する可能性が高いです。
日本車輛側は「本件を真摯に受け止め、原因究明を徹底し、再発防止に努める」というお決まりの声明文を発表するにとどまっています。
真摯に受け止めるならば、要請が無くても現地に行き、全車両の修理を無償で行うのが筋ではないでしょうか?
台湾で事故に遭われた被害者たちは、その声明文だけで納得できるのでしょうか?
日本車輛の企業姿勢や、対応について今後もチェックしていきたいと思います。