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以前、当ブログでも「鳥貴族」に関する記事を執筆しました。
盗撮事件は、人気居酒屋チェーン店の株価を一気に減少させました。
株価としては300円~400円の急降下です。
その後持ち直し2500円台まで回復しましたが、徐々に株価が下がっており、現在は2300円付近をうろうろしている状態が続いています。
人気居酒屋チェーン店だったのは、すでに遠い昔のこと。
現在の店舗は「閑古鳥」が鳴いている状況です。
今回は「鳥貴族」に何が起こったのか考察していきます。
鳥貴族の現在
鳥貴族は「280円均一メニュー」を取り入れるなどして、顧客を掴んできました。
2016年には株式上場を果たし、巨大外食チェーンの仲間入りを果たしたと思われていまいた。
しかし9月12日に発表された2018年7月期の着地では、売上高が前年比15.8%プラスの339億円、営業利益は15.4%プラスの16.8億円という2桁増益を果たしましたが、当期純利益は31.6%マイナスの6.6億円という減益になってしまいました。
減益の原因として2017年10月に実施した280円均一から18円の値上げによる客離れを挙げる人(専門家やメディア)が大半でした。
年次ベースで見ると右肩上がりで成長していますが、四半期ベースに分解すると、状況が一変します。
5月~7月の営業利益が3%以下(5月までの決算期では平均5%の営業利益)まで落ち込みました。
この結果が現在の株価低迷に大きく響いていると言われています。
鳥貴族は何を間違えたのか?
実際に、鳥貴族が発表した、客数と客単価の関係性を確認してみると、値上げを行なった2017年10月からは客数は減っているものの、客単価が上がっています。
しかし、客単価が上がったとしても、客数が減り続けると、トータルの売り上げが下がるのは当たり前です。
鳥貴族は一体何を間違えたのでしょうか?
多くのメディアや専門家は値上げによる客離れを指摘していますが、本質は値上げだけではないようです。
ある経済紙のコラムで、鳥貴族の「マーケティング手法」と「経営理念の転換」を疑問視するものがありました。
かいつまんで説明すると、鳥貴族のマーケティング手法は時代に合っておらず、本来の経営理念から遠く離れすぎたことによる既存客の減少が原因と述べていました。
人件費の高騰を避けるため、店舗の注文は各テーブルに備え付けられているタブレットで行うようになりました。
経営理念でもある「元気でホスピタリティあふれる接客の提供」からの方針転換により、これまでの鳥貴族ファンが離れていったのではないかとも言われています。
マーケティング手法に関しては、鳥貴族がターゲットにしている客層がマーケティング部と商品開発部でちぐはぐになっていることを指摘しています。
鳥貴族のレストラン口コミによると、味付けが濃く、年齢が高い人ほど来店を敬遠している傾向にあります。
本来であれば、元々のターゲット層が20代前半の若者なので、その客層の客離れは放置しておいてもよさそうなものですが、ホームページのトップ画面には、仕事帰りのサラリーマン(上司部下)の飲み会のイメージ写真を載せていて、ターゲットとなる客層への訴求がちぐはぐです。
これらの要素が現場である店舗や、ターゲットとなる顧客に混乱を招き、来店客数の減少につながっているという指摘がありました。
私(筆者)自身も外食産業で店長をしていた経験があるため、鳥貴族の売り上げ減少はなんとなく理解できました。
売り上げは上がっても利益が出なければ、なんの意味もありません。
人件費を削る為に、タブレットなどの自動化を進める手法も間違っていないと思います。
しかし、会社の理念を曲げてまで自動化を進める必要があったのでしょうか?
日本は世界でも類を見ないほどの外食国です。
日本人が外食先でレストランに求めるのは何なのでしょうか?
味であり、コミュニケーション(おもてなし)であり、雰囲気です。
東京オリンピックが2年後に迫っています。
諸外国の観光客は今後も増え続けることでしょう。
東京オリンピック誘致の要因になった「おもてなし」は日本人特有の文化です。
「安い」、「おもてなし」が鳥貴族の屋台骨を支える理念だったはずです。
それを利益追求のために屋台骨を変えてしまったのは、鳥貴族側の認識不足だったのではないでしょうか?
安易な値上げは時として外食企業に大きな打撃を与えます。
値段を上げる前に、18円分の「付加価値」を用意するべきだったのではないかとも感じました。
鳥貴族は、新規出店を減らし、既存店の営業利益回復に努めると発表していますが、間違いなく「イバラの道」です。
今後の鳥貴族の営業努力に注目していきましょう。