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25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島カープ。球速165km/hをマークして、NPB最速記録を更新した、大谷翔平投手。2冠王に輝いたDeNAの筒香嘉智選手。2年連続トリプルスリーを達成した、ヤクルトの山田哲人選手。
今年のプロ野球からは、ファンでなくても興味を引かれるニュースや、記録が多数生まれた。しかしその陰で、思うような活躍が出来ず、プロ野球界から姿を消す選手は数多い。
千葉ロッテマリーンズの伊藤義弘投手もその一人である。現役時代の彼は、どのような選手だったのだろうか。
戦力外通告を受けた伊藤投手
今年のシーズン終了後、伊藤義弘投手は球団から戦力外通告を受けた。戦力外通告、平たく言えば「クビ」である。
今年限りでユニフォームを脱ぐ選手の中で、自ら引き際を決めることが出来た選手はごく一部である。まして引退試合などでファンに見送ってもらえた選手などは、片手で数えられるほどだ。
その何倍になるのか。今年は100人以上の選手が、球団から戦力外であると通告された。通告を受けた選手は、諦めてそのままユニフォームを脱ぐか、他の球団に拾ってもらうために、トライアウトという言わば入団テストに賭けることになる。
トライアウトは今年11月12日に甲子園球場で行われ、1万人以上の観客が見守る中、65人の元選手が未来をかけて参加した。
ピッチング・バッティング・守備のテストが行われ、どこかの球団の目に留まれば、そのまま入団か、または入団テストを受けるチャンスが得られる。
伊藤投手もこのトライアウトに参加。打者3人に対して被安打1とまずまずの結果を出し、巨人の入団テストを受けるチャンスを獲得した。しかし、テストの結果は不合格。伊藤投手は引退を表明した。
伊藤投手の挑戦の様子は、12月30日午後10時からの、TBS「プロ野球戦力外通告、クビを宣告された男達」という番組で紹介される。
伊藤投手の生涯年棒
伊藤投手は現役時代に、どのような成績を残したのだろうか。
伊藤投手は福岡出身の34歳。國學院大學からJR東海を経て、2007年に千葉ロッテマリーンズに入団する。
1年目で開幕1軍入りを果たし、中継ぎとして51試合に登板。その後2011年まで220試合以上の試合に登板し、中継ぎとしてチームを支えた。プロ3年目の2010年には、日本シリーズの胴上げ投手にもなった。
しかし、2011年のシーズン終盤、伊藤投手を不運が襲った。日本ハムの陽岱鋼選手の折れたバットが左脛を直撃し、左下腿三頭筋打撲と挫傷という怪我を負ったのだ。伊藤投手はそのまま病院へ搬送され、そのシーズンの残りを治療で終えることになる。
その怪我がきっかけになったのか、翌年からは、右肩痛やぎっくり腰、右ひじの故障など、次々と身体の不調に見舞われることになる。
軸足を負傷したことで投球時の身体のバランスが崩れてしまったのだろうか。それが修正できない状態に故障が加わったせいか、投球からは全盛期の勢いがなくなり、伊藤投手は徐々にマウンドから遠ざかることになる。そして2016年、1軍で登板する機会を得られないまま戦力外通告を受けたのだった。
通算成績は、257試合登板で6勝13敗。1セーブ、71ホールド。防御率3.83だった。
年棒は、2008年の1000万円から始まり、最高が2012年の6000万円。その後は成績不振で下降線をたどり、2016年には2400万円まで落ち込んだ。生涯年棒は8年で3億1300万円。
プロ野球選手としてこの金額は少ないのかもしれないが、それでも大学卒のサラリーマンの平均生涯年収2億5000万円の1.25倍である。それを身一つで稼いだのだ。お疲れ様の一言である。
伊藤義弘氏は、大学に入り直して教員免許の取得を目指すそうだ。まだ34歳。新しい可能性はいくつでも見つけられるだろう。
指導者となって、プロ野球選手の卵たちを育てるという可能性もある。
伊藤氏には二人の息子と一人の娘がいるそうだ。新しい世界にチャレンジする父親の姿は、子供たちにとって素晴らしいお手本になるだろう。